THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2016:『ビットコインコミュニティーにおけるアイデアの広がりとその実行について』

THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2016 DAY 1 『ブロックチェーンの真実』が昨日開催された。
『デジタル通貨の未来と課題』という昨年のテーマから、今年は『ブロックチェーンの真実』となっていたため、あえてビットコインの話は避けられて金融向けの話がされると思っていたが、THE BLOCKCHAINであるビットコインブロックチェーンの話を軸にカンファレンスが進行した。

セッション4:エンジニアコミュニティの醸成では、Metaco SA CTO,Nicolas Dorier氏によって『ビットコインコミュニティーにおけるアイデアの広がりとその実行について』というテーマでトークが行われた。
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ビットコイン開発者とは一体誰のことを指すのか?どのような能力が必要で、どれだけ種類があるのだろうか?

まず、ビットコイン関連の開発者には様々なタイプが存在し、大きく3つのタイプにわけることができると説明された。
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サービスを作るアプリケーション開発者。
インフラストラクチャーの開発者。
ビットコインコアを作るノード開発者である。

下層に行くほど開発者は少なくなる。その理由としてはアプリケーションなどは比較的リターンが早く得られるが、コアの部分はボランティア的要素もあったり、ミスをしてしまうと上層にも影響を与えてしまう可能性があって非常に難しいからである。

単純にビットコイン関連のアプリを作ってビジネスを行いたい場合とビットコインそのものに関わって改善を行いたい場合では動機や情熱のあり方がかなり異なってくる。

上のノード開発者に関してもさらに異なったレベルにわける事ができる。

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最下層はコンセンサスであり、ここでミスをしてしまうとフォークが起こってしまう。わざとフォークを起こすのではなくバグの場合には大問題となる。ブロックサイズを圧縮したりマリアビリティー問題を解決するSegwitは去年からプルリクエスト→レビューが行われ、マージされるまでに何ヶ月もの時間を要している。

time locked txを作るコードであるOP_CSVにも一年かかっている。重要なレイヤーでここにコードを書くと10人、20人のコア開発者が確認する。

もう少し重要度が小さくなるのがプロトコルでバグがあってもパッチを当てれば損失が出ない。ハックされた場合には大きな問題が起きるが、コンセンサスレベルではない。

トップにはRBF,CPFPなどのノードポリシーがあり、レビューはされるが他の2つよりも重要度は低い。

ビットコインコアチームの開発方法はスライド画像のように7ステップあると説明された。

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1.アイディアが出る。

2.話し合いがされる。コミュニケーションはオープン。メーリングリスト、チャットなどで話し合われる。BIP(BITCOIN IMPROVEMENT PROPOSAL)が書かれる。

3.実装 

4.PR(PULL REQUEST)がされる。レビューGITHUB、IRC、膨大なテスト(例えば、Segwitは3ヶ月)

GITHUBから誰でも見れる、削除や置き換えなどをみんなでチェック。IRCでも話す(開発者が好きなチャットのようなもの)
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5.満足されたら既存コードにマージ(現在Segwitはマージされた)

6.新たなバージョンのソフトが出る。

7.最後に、変更がコンセンサスレベルの場合には95%のマイナーの署名サポートが必要。かなり長い時間がかかりサポートされてからアクティベートされる。

これからビットコインの開発に関わりたい人は?

初心者はどのレイヤーをやりたいかによって時間的コストが変わる。アプリレイヤーが一番簡単で、下層になっていくと常に勉強する必要がある(常に改善されるから)ため、どの層に貢献したいかによると締めくくられた。

Blockchain Hub CMO 本間善實氏の『日本で活躍するコア開発者を増やしたいが、どのような人が必要か?どのような情熱が必要か?』という質問には『開発者自身が興味をもって貢献できるかどうかが鍵』と回答された。

コンセンサスレイヤーの開発者にはどのような能力が必要か?という伊藤氏の質問に、『コンセンサスレイヤーは過ちが起こりうるなら起こってしまうため、すべてが攻撃者という前提でパラノイヤな姿勢が必要だ。』とLightning Lab CEO,Thaddeus Dryja氏がこの後行われたパネルディスカッションで話していた。

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ビットコインコアでは異なったセクションで100名程度、コンセンサスレベルで理解ができる開発者はもっと少なく20~30名程度しかいないようだ。


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